それまで相続登記というのは、法律的な観点から義務化されていないという事実が存在していました。罰則がなかったので、そのまま放置していても権利を持っている人には何も問題がなかったので、手続きをしないまま時間を過ごしてしまうということもほとんどでした。しかし、2024年から相続登記が義務化されてそれが施行されることになりますので、罰則が設けられます。そのまま放置していると文字通り法律違反となってしまいますので、来るべき時に備えてきちんと手続きをしておかなくてはいけません。
そもそも、相続登記というのは義務化されていなかっただけで放置していれば問題ないというものでもありませんでした。現実的にも、相続関係がめちゃくちゃになってしまったり誰が不動産を所有しているのかが不明になってしまうという問題点も生じています。相続人というのは単独であるというわけではなく、複数人が存在する場合にはその法定相続分に応じて不動産が共有されるという特徴が存在します。現金と異なって物理的に分割していくことが難しいので、共有所有という形で管理していくことになりますが、手続きを行っていないと誰がその管理をしているのかすら不明になってしまいます。
現実的にも、こういった共有不動産に関連する管理状況が分からなくてその不動産そのものを売却することができなくなるなどといった問題が生じています。こういった相続登記の問題を改善するためにも、将来的なことを考えて義務化することは非常に重要だメリットであると考えられています。